収入と費用、利益の目標値

初期投資と資金調達の組み合わせを考えたら、今度は収入、費用、利益などの目標値を設定しましょう。金融機関などから資金調達、つまり借入する際には、「使い途」と「返済の可能性」が重視されるのはお分かりいただけるでしょう。使い途は、初期投資の内容で説明できますので、併催の可能性をこの収入、費用、利益の目標値で示しましょう。

そして可能なら資金繰り表も作ってみましょう。


返済がきちんとできることを示す

収入、費用、利益の目標値を示すことは、金融機関や外部の利害関係者に対して、「返済がきちんとできること」「事業を継続できること」を理解してもらうことに繋がります。

次のような表を埋めていくといいでしょう。

 

売上高について

売上高は、できれば企業全体としての売上高、そしてその内訳になる既存事業の売上高と新規事業で上げていく売上高に分けて書けるといいでしょう。可能ならば、その計算根拠もあるといいでしょう。B2Bであれば、顧客C社から年間〇〇万円+顧客D社から年間〇〇万円といった具合です。B2Cなら、客数と客単価の予想を書きましょう。

 

売上原価・製造原価について

こちらも企業全体としての原価を記載したいところです。

できれば、既存事業と新規事業を分けて書きましょう。既存事業と新規事業の原価率が違う場合は、特に気をつけて書きましょう。

販売管理費について

新規事業を始めるにあたって、人材の獲得や広告などの費用、運賃や新たに発生する家賃などがありますか。現状の販売管理費内で対応できるなら、同じような金額を横滑りでも構いません。が、よく考えてみましょう。



本来は、利益から売上目標を作る

上記の計画数値では、売上目標から順番に下に下がってきましたが、本来は、獲得したい「営業利益」または「経常利益」の額から逆算して売上目標を作るのが良いでしょう。

そうすることで、「どのくらいの売上を作らないと儲からないのか」がわかります。その方が経営的にはきちんとした目標と言えるのではないでしょうか。


資金繰り予定も検討する

資金に余裕をもって新事業を進められればいいのですが、そうでない場合もあります。その際には、資金繰り予定も検討したほうがいいでしょう。通常の資金繰り表を作ってもらえれば、それでも構いませんが、弊社がお勧めするのは下にある資金繰り予定表です。

 

通常の資金繰り予定表は、上から前月残に始まり、売上などによる入金、その下に仕入や販売管理費などの固定費支出、そして財務的な入出金(借入やその返済、補助金など)があり、最後に当月残高という風になっています。

が、弊社がお勧めする資金繰り予定表は違います。

  • 前月残高
  • 支出
    • 借入金返済
    • 固定的支出
    • 半固定的支出
    • 仕入等の変動費
  • 収入
    • 売上(できれば、事業別や顧客別、商品カテゴリ別など)
    • その他の収入
    • 借入金などの財務的収入
  • 当月残高

という構成になっています。なぜなら、支出というのはたいてい先に出ていくものですし、売上の入金などは月の途中に発生せず、月末に入ってくるケースが多いからです(小売や飲食などの現金商売は少し違いますが)。

 

この方が危機感があおられ、前倒しの計画性を持てるのでお勧めしています。

 

ダウンロード
支出が前にある資金繰り表
通常の資金繰り表と違い、収入が後で支出が前にある危機感をあおられる資金繰り表です。
支出が前の資金繰り表.xlsx
Microsoft Excel 14.6 KB

数字の計画ができあがったら、課題などの設定をしていきましょう。