事業開発の進め方


撤退基準をきちんと決めておく

サンクコストという言葉を聞いたことがありますか。サンクはThankではなく、sankです。沈んだという意味です。

事業開発を進めていく中で、投資は進んで行きます。投資されたお金は、サンクコストとして見えなくなっていきます。もちろん、記録や記憶には残ります。しかし、私たち人間は「ここまで投資したんだから、成功するまで頑張ろう」としてしまい、傷口がどんどん開くということもあり得ます。

 

その意味で、事業開発を進めるときには「いつまで、どのくらいの投資までやっても芽が出なかったときやめる」という撤退基準を決めておいた方がよいでしょう。これを決めておかないと、いつまで経っても赤字から抜け出さない事業の種(それが腐りきっていても)ばかりが残ります。

 

事業開発を始めるとき、先に撤退基準を決めておくことをお薦めします。

 


ノウハウが先か、販売促進が先か

この図にある、新事業ですが、少しずつ左上の方へ引き上げていくのが事業を拡大する際のセオリーではあります。しかし、外部からの認知度とノウハウの蓄積度を同時に上げていくことは難しいといえます。

 

そのため、先にノウハウを貯めるのか、外部からの認知度を上げるのかを選択することになります。

 

結論から書くと、「先にノウハウを貯める」ことが重要です。このため、売上が作れるようになるまで少し時間がかかります。

 

なぜなら、ノウハウが貯まらない間に外部への認知度を上げていくと、うまく販売できなかったり、販売ルートが構築できていなかったり、製品へのクレームが発生したりして、事業が危機に直面します。

 

そのため、先に業界のことを調べたり、業界での流通構造を知ったり、販売促進がどのように行われているのかを知ったりすることが大切です。

 

結果、新事業の〇はまず、上の方へ移動して行きます。ある程度、引きあがったところで、外部からの認知度アップのために活動を始めることになります。

 


マップ上のポイントによる変化

上述のとおり、原則的には内部でのノウハウを向上したのち、つまり緑色のエリアにサブ事業を維持しながら、左上の方へ事業を進めていくのが得策ではあります。

ですが、黄色のエリアに入ることもゼロではありません。

 

たとえば、システム開発ベンチャーです。

まだ技術は開発途上にあったり、基礎技術はあるものの製品化できていなかったり、市場についてのノウハウがないという状況にもかかわらず、メディアなどで取り上げられて外部からの認知度がぐっと上がってしまうケースなどです。

 

この時はつらい。急速に開発を進めたりしなければ、外部からの認知度も急激に下がる可能性があります。結果、メイン事業とはならない。

つまり、黄色のエリアに事業が行ったときには要注意です。

 

一方、緑のエリアではノウハウが貯まったものの、外部からの認知度が低い状態ですから、売上は作れません。緑のエリアにいるときには、情報の拡散をどんどん進めなければなりません。そうしないと、こちらはいつまで経っても同じ位置にとどまり、売上は作れませんし、金だけは出ていきます。

 

事業がこのマップ上のどのあたりにいるのかによって、その後の戦略が変わってくるので、時々、自社の各事業がどうなっているかを確認することを勧めます。