なぜ、中小・小規模事業者に新事業が必要か

新事業とか、多角化とかいう言葉を聞くと、どうしても「大手企業」の話のように聞こえます。が、しかし、実際、本当に新事業が必要なのは中小・小規模事業者なのではないかと私は考えています。

なぜ、私がそう考えているか、少しだけ書いておこうと思います。

 

会社を安定させるため

新事業が必要な最大の理由は、「会社を安定させるため」です。

ちょっと例を挙げてみましょう。

 

残念ですが、最近は本が売れない時代です。もし、本屋さんが本だけに特化して仕事を続けていると、厳しい時代です。実際、本屋さんは大幅に減少し、ネット書店や大手の書店のみが残っている状態です。

本屋さんが本だけを売っていたら、早晩、つぶれてしまう時代になったわけです。

 

もし、本屋さんが今どきの方向性を出して、カフェを併設したらどうなるでしょうか。

カフェに来るだけの人ももちろんいるでしょうが、カフェと本は比較的組み合わせが良い事業ですから、お互いに相乗効果が出て、売上を補完しあうでしょう。

 

お店が安定します。

 

もちろん、そこにはリスクも存在します。たとえば、カフェを作るようなお金がなかったり、場所が十分に広くなかったり、コーヒーに関する知識が無かったり、食中毒を出してしまう危険があったりもするでしょう。

 

ですが、カフェをやらなければ、「座して死を待つ」だけでしょうから、そのリスクの方が大きいようにも思います。

 

リスク分散するため

事業を複数持つ、つまり多角化することは、リスク分散につながります。ある業界が市場の縮小や突発的な事故などで萎んでしまっても、多角化していれば、他の事業が補完してくれる可能性が残ります。

売上減少が100%になってしまうことは、かなりの確率で減少します。

 

市場縮小に対応するため

上述の本屋さんの場合は、まさに本の市場の縮小に耐え切れなくなって閉店するということにつながるわけです。

本以外の事業を早めに始めておくことで、その本の市場縮小に負けない体質を作ることは不可能ではありません。

 

後継者を育成するため

既存事業を運営している現世代の後継者は、同じ事業をしたがるでしょうか?仮に、引き継ぐとしても経営能力はすぐにつくものではありません。

そういう後継者に小さくても新しい事業を運営させることによって、経営能力を磨き、将来的に事業全体を引き継いでもらうというのは、悪い考えではないでしょう。

 

売上を引き上げるため

事業を複数やれば、単純に考えてみると売上が引きあがるはずです。もちろん、すぐに2倍になるわけではないでしょうが、たとえば、20%増しくらいには、頑張って引き上げられるでしょう。

 

ましてや、既存事業が先細りなのであれば、早めに新しい事業を始めることで、先細りになる既存事業を埋め合わせることもできるかもしれません。

 

中小・小規模事業者の場合には、人手が少ない傾向に当然ありますから、うまく効率化して進める必要はあります。

小さくはじめて育てる

売上を一気に2倍にするというのはなかなか、難しいでしょう。しかし、小さくはじめて育てるという気概でやれば、おのずと数字はついてくるものです。

将来の柱を今から、苗木から育て、いずれ大きな木にして行きましょう。

 

どうやるかの前になぜやるか

新事業が必要な理由を一般論で上述しましたが、実際にはこうした理由の他に、「この会社でこれをなぜやるか」ということが決められていないといけないものです。

人はどうしても、方法論に傾きがちです。が、ピンチになったとき、この「なぜ」が効いてきます。その理由に自分自身が納得していればしているほど、ピンチを乗り越える気概が生まれます。

 

上述の「会社を安定させる」とか、「売上を引き上げる」というのもひとつの「理由」ですが、もう一堀、奥にある新事業をやる理由をぜひ、考えてみてください。

 

そして、純粋に楽しいですよ

新しいことを進めるのは、今の事業がきつくなってからでは遅いですよ。安定時から手をつけましょう。

新しいことを進めるのは、少しずつリスクを取って大きくしていきましょう。身の丈に合わせてやろう。

新しいことを進めるのは、時にきついこともあります。が、それも後には良い思い出になったりします。

新しいことを進めるのは、純粋に楽しいことですよ。いや、逆に楽しいことを選んで多角化しましょう。

 

続いて、自社事業の現状認識を深めてみましょう。