この塾の概要:個人経営の小規模塾(フランチャイズ加盟)
この塾は、最寄り駅から徒歩数分にあるフランチャイズに加盟している小規模塾である。個人事業主として経営しており、生徒は小中高校生を対象としている。講師は社員が数名、大学生アルバイトが十数名所属している。
フランチャイズに加盟しているものの、このフランチャイズは比較的縛りがゆるい。フランチャイズ本部からは塾業界の現状に関する情報や統一のパンフレットの提供、生徒募集時期のチラシ作成支援などが提供される。が、それ以外のサポートは比較的弱い。一方で、加盟料は他のフランチャイズに比べて低めに設定されている。
生徒数は約50名だが、元々は100名を超えるほど居た。コロナの影響で塾生が減ったこと、近辺に競合の塾が複数出てきて商圏内での生徒の取り合いになっていることなどで、半減した。80名は居ないと黒字にはならない経営体質であり、生徒の増加が喫緊の課題である。
この塾の課題:
上述のとおり、生徒の増加が喫緊の課題だが、これを合わせて、次のような課題がある。
- 資金繰りが厳しく改善が必要である
- 生徒数の増加が必要である
- コストの削減が必要である
生徒が減少して売上が低迷し、コストへのメスを入れないまま運営してきたことで、資金繰り問題が発生しているのは明らかである。
塾のビジネスモデルでは、固定費である「家賃」が生徒減少のあおりを一番受けやすい。また、生徒数が減ったとしても授業数を減らせない現状もあるため、塾のビジネスモデルで家賃とともにコストがかかる「講師料」にメスが入れにくい。
支援策:
まず、資金繰りの状況を確認したところ、借入金の返済には事業主の個人収入を充てており、事業からの収入では返済ができていないことがわかった。資金繰りに窮することは時間の問題である。追加資金を借り入れることは現状では難しいため、リスケジュールを検討することになる。
一方、生徒数の増加対策は、
- チラシの改善
- ネットの活用
- 口コミ対策
をするように助言した。特に、ネットの活用ではフランチャイズ本部が作っているサイトしかない。確かに、塾の情報を集めたポータルサイトでは地域一番店になっており、口コミ情報もレベルが高い。が、このポータルサイトからの問い合わせは少なく、あっても生徒獲得につながっていなかった。
※今後、状況が変わったら追記したい。