企業の概要:小さな都内の工場
この会社は都内にあり、小さな工場を運営している。設備はいわゆる金属加工をするような大がかりなものではなく、ある大手企業から許可を受けて製品を生産する小さな設備である。日本国内に、同じ設備を持っている企業は数えるほどしかなく、その点では大きな強みを持っている。
社員は社長の親族などを含めて10名程度である。2名ほど、営業が居る。主な取引先は企業や行政機関などであり、底堅い需要がある。しかし、市場全体としては縮小しており、今後も国内で伸びる要素はない。
課題:独自製品の販売拡大
底堅い需要があるとは言え市場は縮小しており、社長の甥である取締役は危機感を持っている。そこで、当社の技術を活かした独自製品を開発して、生産にこぎ着けた。
発表したところ、さまざまなメディアなどで注目を集めた。しかし、販路として確立できたのは、
- 自社ネットショップ
- ネットショップを運営する小売店2社
のみに留まった。いわゆる物理的な小売店からの引き合いはなく、売上は頭打ちの状況となっている。
そこで、販売拡大のため、流通ルートを開拓することが喫緊の課題である。
提供した助言:見込み客リストの作成と継続的なアプローチ
まず、流通ルートを開拓するにあたり、どの程度、文房具業界のことを知っているか確認した。残念ながら、ほとんど知識がなく、このままでは開拓することは難しいと考えられた。
このため、まず見込み客リストを一緒に作ることとした。当社が開発した製品を扱ってくれそうなお店をリストアップして、それぞれのお店の特徴や状態について情報提供した。
紹介できるお店については、2~3紹介して連絡を取ってもらったりもした。
そのあとは継続的なアプローチが必要であることを理解してもらい、SKUを増やすことと同時に、そうした情報を見込み客に流し続けるよう(もちろん顧客となった後も)に助言した。
その後
公的支援のため、助言に留まったが、その後、展示会への出展を検討しているとのことだった。展示会へ出れば、流通ルートを開拓できる可能性が高まる。もちろん、出展前と出展後のアプローチが大事であることは言うまでもない。その点を理解してもらって、出展企画を作るようにも助言を提供した。