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イラストレーターの物販事業支援(2022年)

当社の状況

当社は個人事業主として、一人でイラストレーターの仕事をする零細企業である。

特徴的な絵を描き、この絵をモチーフにしたアパレル品を外注工場で生産し、百貨店などのPOP-UPストア、ネットショップで販売している。

一部、個人ユーザーでリピータなどがおり、一定数販売できるが、十分とは言いがたい状況であった。

 

当社の課題

零細企業にありがちな次のような課題があった。また、イラストレーターとしては有能だが、管理面では脆弱性が見られた。

  • すべてを一人でこなすので絶対的な時間がなく、時間のバランスを取る必要があった
  • 在庫品などの管理が行き届いておらず、在庫品の把握は喫緊の課題だった
  • 在庫を把握し、発注するべき商品がすぐにわかるようにする必要がある
  • 個々の商品の利益がしっかり取れているかどうか把握する必要がある

どれも、「管理」という言葉でまとめてしまえるものである。零細企業では、この「管理」が行き届かないが故に、さらに現業務が悪化してしまい、負のスパイラルになることが多い。

 

提案した対策

まず、在庫の把握から始めるように助言した。具体的には、在庫品をリスト化して何をどこにいつもって行くのかを見えるようにする。既に、自社ネットショップに商品は登録していたが、その在庫管理はほとんどできていない状態だったからである。

自社ネットショップを在庫システムとして活用する方法もあるが、方向性として最終的にはネットショップを止めたいとのことだったので、この方法は止めた。

 

また、SKUがあまりにも多すぎるので、絞り込むように助言した。管理が行き届いてから、少しずつ増やすことが資金繰り的にも良いためである。

しかし、この提案は実行されていない。SKUは次々と増やしており、「作る」が先行してしまいがちになっている。

 

思い込みが激しく、資金繰りなどの管理ができていないと、在庫が増えたり、それを管理できなくなったりすることで、さらに資金繰りが悪化してしまう。しかし、管理の視点がないと改善が成り立たない。こうした場合は起業には実際、向かないケースであるが、管理を代行してくれるようなサポータが現れると事業は好転するだろう。