当社の課題
当社は都内の靴製造業である。都内で靴の製造を小規模に運営する企業の多くは、OEM(他社ブランド品を生産)を手がけている。独自ブランドを展開しているところももちろんあるが、比較的少数である。
その営業はほとんどが紹介によるものであり、顧客が紹介してくれることもあれば、仕入先である革の生産事業者からもあれば、そのほかの人脈であることもある。
しかし、こうした紹介は受け身であり、なおかつ、いつ起こるかは全くわからない。紹介であるが故にビジネスライクすぎるとトラブルになることもあるので、難しいところも少なくない。
かといって、小規模であることから積極的な営業を掛けることは難しく、かけても門前払いされるのが落ちであり、効率も悪い。
ホームページをリニューアルし、検索エンジン対策
上述のような状況なので、靴のOEM製造のための顧客を獲得するのは容易ではない。一方で、新たなデザインを求めているデザイナーは少なからずいる。さらに、新しいデザイナーは次々と生まれているので、OEM製造を依頼してくれる元は少なくない。
そこで、PUSH戦略の営業が難しいこともあって、ホームページからの問い合わせを待っていたが、問い合わせはない。実際、アクセスも非常に少ないためである。
ホームページからの問い合わせを増やすため、リニューアルを掛け、基本的な検索エンジン対策を施して行くことにした。
検索順位が上昇
図は、実際の順位調査の結果である。
実は当初、ランキング外だったが、対策後、約1ヶ月で4ページ目に出てきた(順位が30位台に入った)。
その後、順調にランクが上がり、とうとう、3ヶ月目には1ページ目の後半に出てくるようになった。
ここまで来ると、問い合わせが毎月のように複数件入るようになる。中には、冷やかしのようなものもあるが、見積もりまで到達するケースも複数出た。
注文に至ったケースも複数出てきて、半年前の問い合わせゼロが続くような月は全くなくなった。
また、OEM以外の問い合わせも来るようになり、検索エンジン対策の効果が継続している。
この事例では、いわゆるコンテンツをしっかりと作り込むと言うレベルまでは行っていない。
ただ、当社がやっていることを表現していることは間違いない。
つまり、いわゆる検索エンジン対策業者に頼まなくても、自社がやっていることを表現して、狙うキーワードをきちんと整理すれば、ある程度の成果が望めるということである。
もちろん、すべてのキーワードで同じことができるわけではない。なぜなら、競合もいるし、レッドオーシャンになっているキーワードもたくさんあるからである。
その辺りをどのように見極めて、対応を考えるかがポイントである。