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出版社の新事業開発推進(2022/12)

中小企業のコンサルティングでは、単に事業計画を作るだけでは本格的な改善には進まないケースがあります。

当社も事業計画の策定支援を受けたものの、もう一歩、その先に踏み出せずにいました。

 

新規事業の検討の必要性

出版事業が縮小する中で、売上が漸減しており、出版事業以外での売上獲得が必要でした。

そのため、新事業開発をするということで、事業計画を作りました。

つまり、新事業によって、経営を安定させることが目的でした。

 

中小企業ではこうした「新事業への進出」によって多角化し、売上を分散させることによって経営を安定させる方法は良く採られる手法ではあります。が、なかなか進まないケースが多く、コンサルタントの支援が必要になるケースが多くなります。

 

検討した新事業のアイデア

事業計画策定の時点では、

  • 出版関連事業のてこ入れ
  • コンテンツ販売の推進(DVDやセミナーなど)

の2点を中心としていました。これは、当社の強みが生かせる分野であり、多角化としては非常に有効と考えられるものです。

 

中小企業のコンサルティングでは、こうした「強み」を生かした多角化を目指すケースが多く、実際にこうした事業の方がうまくいきます。

 

推進の頓挫

しかし、当社ではこのコンテンツ販売がなかなかうまく進みません。

考えられる理由は次の2つです。

  1. コンテンツ販売のサイトに集客がしっかりできていない
  2. 対象顧客が出版事業と全く同じで、対象顧客の業界自体が厳しい

特に、2つめは顕著に現れてしまいました。理由は、コロナです。対象業界を詳細にお話しすることは守秘義務の関係でできませんが、対象顧客の業界が疲弊してきてしまいました。

 

別の新事業、対象顧客を拡大

この状況下では、コンテンツ販売の推進が難しい状況になりましたので、新たな視点での事業開発が必要となりました。当社の「強み」を再検討して、出版社としての顧客基盤を「買ってもらう側」から、「売ってもらう側」に変換することにしました。

 

中小企業が単独で事業開発すると、こうした発想の転換が起こりにくい傾向にあります。中小企業のコンサルティングをしている人間から「気づき」をもらうことで、こうした発想の転換が起こります。

 

当社は結果、出版社としての顧客から顧客が扱う品物を買い取り、他の顧客に販売する「ドロップシッピング」を検討し始めました。

ドロップシッピングなら、在庫リスクはありませんし、当社が持つ基盤を利用できます。

課題は、新しい顧客を獲得することです。が、その芽は当社が運営するポータルサイトにあります。

 

今後、どのように新しい顧客基盤を作って行くかが大きな課題ですが、継続支援する予定です。